2日目を終えた時点でトップは朝武雅晴p。まだ何が起こ
るかわからないと周囲の者は口々に言っても朝武pにかな
り優位な状況には変わらないだろう。
前日までのトータルは次の通り。
望月p 朝武p 仁平p 古川p
▲90.7 +94.8 ▲20.4 +16.1
そんな状況で開始された鳳凰位決定戦の最終日。圧倒的に
優位かと思われた朝武pがまさかの3連続ラス。前日まで
1度もトップを取れなかったディフェンディングの望月p
は15回戦目にしてようやく意地を見せトップをとる。
東場は連続放銃でどうなるかと思いきや南1局の満貫ツモ
で逆転に成功。
続く16回戦、もうあとがない望月pは多少強引とも言え
る攻めに転じるが仁平pの堅守に阻まれ連覇の夢は遠のく
ばかり。朝武pの背後が見え始めた古川pはオーラス一発
逆転の国士を狙うも不発。
ここまで逆連帯の朝武p。鬱憤を晴らすかのように一気に
ブレイクしたのは17回戦。
まずは東2局親、朝武pがダマで仁平pよりイーペーコー
ドラ2の7700を仕留めると南場はもう痛快ともいえる
朝武マジックのはじまりであった。
<17回戦>
■南1局3本場 親:仁平p ドラ6
八八八666FFGG 9(ポン) Fツモ 3000・6000
この日の朝武pの牌はとにかく縦に伸びる。それを感じ
取ってか暗刻形の役を意識的に狙っていたようだ。
■南2局 親:朝武p ドラF
二三四34ABCDDEFG 5ロン 望月p→朝武p 5800
■南2局1本場 ドラ二 朝武p 500(600)ALL ツモ
三五のターツに六引きでリャンメンにとらずカンチャン
受けに取ったのはチャンタ気配の望月pを意識してドラ
そばをケアしたのであろう。慎重さが伺えられた一打。
■南4局 親:古川p
仮テンで仁平pの現物当たり牌を見送った直後に300・
500ツモ。ツキもある。
<18回戦>
17回戦Aトップで三人を沈めた朝武p。既に勝敗は決し
た感があったが、最後まで守りに入らず攻撃は最大の防御
と言わんばかりに攻める手を休めない。
■東3局 親:古川p ドラE
234567東東南南 西(ポン)東ロン 望月p→朝武p 3900
■南1局 親:仁平p ドラ@
六七八DDEEFF東東發發 發ロン 仁平p→朝武p 2600
■南2局 親:望月p ドラC
CCFGH456678西西 西ロン 仁平p→朝武p 5200
他の三人が全く手を出せず、南3局も300・500であっさり和了。
朝武pは既にのびのび麻雀を楽しんでいるかのようであった。
そしてあっという間に終局を迎えたオーラス。親の朝武pは予定
通り?アガリに向かわず流局に持ち込むと静かに牌を伏せ深く息
をはいた。
優勝:朝武雅晴プロ(+114.8)
2位:古川孝次プロ(+ 5.7)
3位:仁平宣明プロ(▲ 16.0)
4位:望月雅継プロ(▲106.5)
<最終日結果>
望月p 朝武p 仁平p 古川p
L + 7.9 ▲20.0 +20.4 ▲ 9.6
M + 4.2 ▲15.8 + 2.0 + 9.6
N +14.4 ▲15.1 ▲ 4.4 + 4.1
O ▲22.1 + 2.0 +14.8 + 5.3
P ▲10.4 +48.2 ▲12.8 ▲25.0
Q ▲ 9.2 +20.7 ▲16.7 + 5.2
決勝進出16回、鳳凰位だけでも6回の決勝進出しておきながら
未だタイトルのなかった無冠の帝王がついに優勝杯を手にした。
自分はロン2で1回、道場で1度だけ相手してもらっただけだが、
若手の面倒をよく見たり、イベントなどでは運営に回るなど陰で
連盟を支えてきた男がようやく日の目をみることが出来た。表舞
台で活躍するのが苦手な自分にどことなく似た朝武pが優勝して
くれたのには共感が持てました。 当人曰く、これでネタがなく
なった(笑)と苦笑いしてましたが、表彰式では優勝杯の重みを
喜びと共に感じ取っていたようだ。本当におめでとうございます。

静岡から大応援団が駆けつけた望月p、周りに心配かけない為か
表面にはあまり出しませんでしたが、内心は相当くやしかっただ
ろうと思います。
来期は鳳凰位奪還を目標に是非、がんばってもらいたいものです。