2008年01月24日

女流桜花リーグ 〜決勝2日目〜

この日は東京でも雪の予報が囁かれるほど寒い1日と
なった。桜の季節はまだまだ先だが今年一番目の連盟
タイトル戦、女流桜花の決勝がじゃん亭にて行われた。
プロよりも先に会場近くには来ていたが、コンビニで
意味もなく買い物したり、喫茶店でコーヒー飲んでみ
たりなかなか落ち着かずすぐに会場に足を運ぶ気には
なれず、ようやく意を決して会場に着いた頃には7回
戦の東場も終わろうとしていた。

★7回戦

■南1局1本場 親:優木p (ドラA)

小場が続いた東場だが、決め手となったのは南1局。
優木pの七対子が炸裂する。

二二三三四四1144AA8 8ロン 
           黒沢p→優木p 9600(9900)

亜樹pも七対子で先行リーチをかけていたので黒沢p
はそちらに注意がいってしまったのであろう。

■南4局 親:黒沢p (ドラ八)

トップ目の優木p、愚形ではあるがここは圧をかける
べく立直。七はドラ表示に亜樹pにメンツ手、更に斉藤p
がツモり、残り1枚を引き当てる。

八九123456CCDDD  ツモ 1000・2000

<7回戦順位>
 1)優木p 2)斉藤p 3)亜樹p 4)黒沢p


★8回戦

■東2局 親:優木p (ドラ四)

黒沢pに下記の手牌で聴牌。(14巡目)

一二三六七八789EFHH  から6ツモ9切りで
一二三六七八678EFHH

高目のGは優木pに暗刻で山にいるのはDの1枚のみ。
結果、流局で1人聴牌となる。

■東3局 親:亜樹p (ドラ白)

優木pが七対子で聴牌するが、斉藤pが混一色、白ドラ3
の会心の跳満(3000・6000)ツモ。

■南1局1本場 親:斉藤p (ドラ8)

亜樹p、4巡目に立直。(BツモA切り)

BBCCDDEFG67白白 

受けに回っていた斉藤p仮テンで孤立牌を引き入れて
1300(1400)ALLツモ。

■南1局2本場 (ドラ7)

配牌で亜樹pの手になんと白・發・中が対子で大物手の
予感。しかしあがったのは七対子で聴牌していた優木p。
斉藤pからドラの7を出アガリ。

■南2局1本場 親:優木p (ドラE)

9巡目の親の優木p、親満でトップに立つ。

五六七67899EEFGG Fロン
           斉藤p→優木p 12000(12300)

■南2局2本場 (ドラ6)

手痛い放銃で少しでも打点を高めたい斉藤pが下記の手
牌で5巡目立直。ここにピンズの面ホン中で余剰牌の
ドラで飛び込んだのは黒沢p。

23478AAABCFGH 黒沢p→斉藤p 3900(4500)

■南3局 親:亜樹p (ドラ一)

亜樹pの親の恐ろしさは対戦者なら認知済みであろう。
優木pがここは静かに流し、反撃のスキを与えない。

2345567ABCEFG  ロン 亜樹p→優木p 2000


■南4局 親:黒沢p (ドラH)

親をあっさり蹴られた亜樹p。オーラスでやるべき事は
ただ一つ。前日までのポイントを活かしてのラス抜け。
11巡目に下記の手牌で聴牌し、無理せず和了。

234678四四六七DEF ロン
                斉藤p→亜樹p 2000

<8回戦順位>
 1)優木p 2)斉藤p 3)亜樹p 4)黒沢p


★9回戦

■南3局 親:亜樹p (ドラC)

アガリの応酬で競った展開となった9回戦。
終盤南3局で優木pが5巡目に立直。

二三三三六七八345BCD ロン 斉藤p→優木p 3900

■南4局 親:黒沢p (ドラ一)

思わぬ2連敗で苦しいスタートとなった黒沢p。
この9回戦でようやくチャンス到来。

二三五五七八九789FGH ツモ 2600 ALL

■南4局1本場 (ドラ5)

優木pが黒沢pの連チャン阻止で9回戦は終了。

二三四七八12223EFG ロン 
               斉藤p→優木p 1000(1300)

<9回戦順位>
 1)黒沢p 2)優木p 3)亜樹p 4)斉藤p


★10回戦

■南1局 親:亜樹p ドラ(二)

東1局で亜樹pへの手痛い親満放銃でスタートした斉藤p。
配牌で發、中がそれぞれ2枚、白1枚で大物手の予感。
下記の牌姿に飛び込んだのは優木p。手の中で浮いていた
7は止めることが出来ず、流石にショックの色は隠せない。

12356白白發發發中中中 ロン
               優木p→斉藤p 12000

この10回戦はこの局が大きなポイントだったように思う。
ラス目の優木p、南3局に2600(3200)を出アガるもオーラス
僅差でトップ目の亜樹pがダマで700・1300ツモで逃げ切り。

<10回戦順位>
 1)亜樹p 2)斉藤p 3)黒沢p 4)優木p


★11回戦

■東1局1本場 親:亜樹p (ドラG)
 
東1局で1300ALLツモった亜樹p、続く1本場では下記の
手牌で手堅くダマ。

88ABCEFG四五五六七

そこへ斉藤pからの立直がかかり黒沢pが平和、ドラ2へ
放銃。  黒沢p→斉藤p 7700(8000)

■東3局 親:黒沢p ドラ(七)

勢いに乗る斉藤pが今度はG待ち七対子のW立直。

六六七七5599EEG北北 

Gは黒沢pの手に1枚だが孤立。 出るのは時間の問題で
あった。 黒沢p→斉藤p 12000

■東4局 親:優木p ドラ(D)

三四五九九567DEEFG で優木p10巡目に聴牌。

斉藤pがツモ、イーペーコー、ドラ1でこれをかわす。


■南2局1本場 親:黒沢p (ドラ五)

二三四五六34566 ツモ CCCC(カン)

東場で大きく出遅れた黒沢p、1300・2600で少し挽回。
南3局では優木p、無理をせず平和ドラ1の2000を亜樹p
より出アガリ。

■南4局 親:優木p ドラ(1)

斉藤p、この日全体的に聴牌が非常に早く4巡目にして
立直。
浮上の兆しが見えない黒沢p、力なく放銃してしまう。
斉藤pのAトップで11回戦終了。

一二789@@發發發 白(ポン) ロン 
                 黒沢p→斉藤p 5200

<11回戦順位>
 1)斉藤p 2)亜樹p 3)優木p 4)黒沢p


★12回戦

■東1局2本場 親:優木p (ドラ八)

東1局で亜樹pが七対子で聴牌するものの優木pのツモ
のみ500ALL。続く1本場も亜樹pが優木pの立直へ2000(2300)
の放銃でまだ勝負を捨ててはいない姿勢を見せる親の
優木p。対する黒沢pは一発大物手を狙って国士無双の
イーシャンテンまでこぎつける。待ちは1・南であった
が、3枚目の南をツモった亜樹pは当然のように抱えて
絶好の西待ちでも七対子の聴牌崩し。
流局間際、斉藤pが1000(1200)・2000(2200)ツモ。

■東3局 親:斉藤p (ドラ六)

黒沢p、九萬引きで7巡目に立直。

一二三七九789FGH西西 ロン 優木p→黒沢p 8000

■南4局 親:亜樹p (ドラ5)

オーラスは全員が優勝目指して対局しなければならない
のが基本とされている。4人の状況は
亜樹p(242)、優木p(181)、黒沢p(317)、斉藤p(449)
トータル2位の斉藤pでさえも厳しい数字。亜樹pは
字牌を極力絞り、希望通り全員ノーテンで流局。

圧勝で第2期女流桜花 二階堂亜樹プロが誕生した。

<12回戦順位>
 1)斉藤p 2)黒沢p 3)亜樹p 4)優木p


<初日>
  優木p 黒沢p 亜樹p 斉藤p
@▲35.3 ▲ 2.8 ▲11.5 +49.6
A▲16.1 +15.8 + 5.7 ▲ 5.4
B▲15.7 + 7.9 +16.3 ▲ 8.5
C+10.6 + 3.4 + 1.5 ▲16.0
D▲ 4.4 ▲13.8 +22.6 ▲ 4.4
E▲ 5.6 +10.8 +22.5 ▲27.7
計▲66.5 +21.8 +57.1 ▲12.4

<2日目>
F+25.7 ▲15.1 ▲ 8.0 ▲ 2.6
G+24.7 ▲15.6 ▲ 7.2 ▲ 1.4
H+ 9.3 +15.1 + 5.4 ▲29.8
I▲16.0 ▲ 9.8 +19.2 + 6.6
J▲ 5.7 ▲30.0 ▲ 3.5 +39.2
K▲19.9 + 5.7 ▲ 9.7 +22.9
計▲48.4 ▲27.9 +53.3 +22.0


優勝二階堂 亜樹プロ
2位:斉藤 智子プロ
3位:黒沢 咲プロ
4位:優木 美智プロ

 080120_女流桜花決勝 006.jpg

■戦い終わって・・・
12回戦終了後、表彰式の際、初代女流桜花の優木p
はあまりの悔しさからか思わず涙を見せる。
ディフェンディングとして決勝からの出場だっただけ
にモチベーションをどうやって高めて1年間を戦い抜
いてきた相手に対するかも苦労したのではないか。

1年前の決勝観戦の時と読み比べると自分のレポート
もずいぶんテンションダウンしている。(苦笑)
まるで自分が負けたように悔しいのはそれだけ何かを
期待していたからなのでしょうが、初代女流桜花も
最後まで諦めずに戦い抜いてくれました。

今回は派手さはないが、亜樹pの真の強さを見せられ
た決勝であった。リーグ後半から集中して観戦させて
もらいましたが、亜樹pは確実に進化を遂げている。
相手に対応させる麻雀の打ち手と言えば佐々木寿人p
であるが、亜樹pは反対に相手に対応する麻雀を打つ
プロと言えるだろう。そう、かつての”卓上の舞姫
はもういない。そこに見たのは堂々とした構えで的確
な読みと鋭い観察力で1局毎に柔軟に対応出来る腰の
据わった麻雀を打つ二階堂亜樹プロであった。
女流プロの中でも一際人気の高い亜樹プロは常に勝つ
ことを要求されてきた中でいかにして勝つかを悩み、
葛藤してきたのでしょうね。

亜樹p、第2期女流桜花おめでとうございます!
第3期のプロクィーンの時はまだ認知していなかった
ので自分の中では初めて対戦したプロ=二階堂亜樹p
程度でしたが、これからは尊敬する雀士の一人として
第2期女流桜花、二階堂亜樹プロとして記憶に刻まれ
る事でしょう。これでリアルで対戦した時も更に倒し
甲斐が出てきました。(笑)

そして決勝まで勝ち進んだ黒沢p、斉藤p、本当に
おつかれさまでした。
そして惜しくも敗れた優木pには桜花奪還を目指して
もらいたいものです。

これにて女流桜花リーグの観戦記はひとまず終了。
ありがとうございました。


posted by MATSU at 01:57| 東京 🌁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする