2009年10月19日

第7期プロクィーン決勝観戦(2009/10/18)

最近はすっかり足を運ぶ機会が減った新橋じゃん亭にて行われた第7期プロクィーン
の決勝戦2日目を観戦してきました。プロクィーン決勝戦を観戦するのは第5期から
数えて3度目だが第7期の決勝進出者は以下の5人。

奥村知美 (協会):シードを勝ち上がり第5期以来の決勝進出。手役の高さに定評あり。
石井阿依 (協会):唯一の2年連続決勝進出者。昨年は無念の足切りだったが今回は?
仲田加南 (連盟):予選を勝ち上がり第5期以来の決勝進出。個人的に絡みも出来た(笑)
二階堂亜樹(連盟):第3期優勝。決勝出場回数は今回で4回目となり最多出場の実力者。
黒沢 咲 (連盟):第6期優勝。ディフェンディングとしてプロクィーン初の連覇を狙う。

初日5回戦を終えた段階での小計は次の通り。

 黒沢p: 42.2
 石井p: 42.0
 仲田p:  8.8
 奥村p:▲21.7
 亜樹p:▲72.3

正直、意外な人が意外な位置にいるなと思いつつ、最初の2〜3回戦の展開次第では
ガラリと変わる可能性もあるので2日目は最初の6回戦から観戦。

■6回戦(奥村p×黒沢p×仲田p×亜樹p)抜け番:石井p

・南3局 親番:黒沢p
 ここまで劣勢だった亜樹pにこの日最初の大物手の聴牌が入る。

 五五五6667775566) 
 
『受けの役満』とも言わしめた第3期女流桜花決勝11回戦を彷彿とさせる
 亜樹pの四暗刻聴牌。
 惜しくもこれは成就せず黒沢pが奥村pより断幺公の1500出和了り。

・南4局 親番:奥村p ドラ4索
 黒沢p一人沈みのラスで迎えたオーラス。黒沢pが三色の種である九萬に
 絶好の七萬を引きいれ、既に平和で聴牌していた奥村pより5200直撃し
 奥村pは原点割れとなる。 

 一二三四四七九789789) ロン 奥村p→黒沢p 5200

6回戦結果 奥村p:▲ 9.6 黒沢p:▲23.3 仲田:+23.7 亜樹p:+ 9.2


■7回戦(石井p×黒沢p×仲田p×亜樹p)抜け番:奥村p

・東2局 親番:黒沢p ドラ白
 配牌時は各1枚づつだった三元牌がみるみる寄って来たのは仲田p。
 七対子ではもったいない牌姿だが手堅く石井pより6400討ち取る。

 四四233東東白白發發中中 ロン 石井p→仲田p 6400

・南2局4本場 親番:黒沢p ドラ9索
 亜樹pの河には丁度、筒子の上位がバラ切られほどよい迷彩になっている所で
 ノータイムの立直が入る。ここでここまで致命傷を避けてきた黒沢pだったが
 亜樹pとは幾分相性が悪いようで(?)立て続けに放銃してしまう。
  
 七八九23499989)白白 ()ロン 黒沢p→亜樹p 8000(9200)

・南3局 親番:亜樹p ドラ(5)筒
 筒子の混一色狙いの石井pを見つつ黒沢p七対子聴牌し、そのまま八萬待ち立直。
 自分的にはこの立直は必要だったのか疑問は残ったがダマで構えていた亜樹pに
 掴まりこの回勝負あり。

 六七八2345566788)()ロン 黒沢p→亜樹p 12000

7回戦結果 石井p:▲12.8 黒沢p:▲38.7 仲田:+18.4 亜樹p:+33.1


■8回戦(石井p×奥村p×仲田p×亜樹p)抜け番:黒沢p

・南1局 親番:奥村p ドラ5索
 流局・小場の続いた東場であったが4者それぞれに手が入るようになる。
 まずは奥村pに以下の手。ドラの5索を切り飛ばしリーチ。

 一二三七八九6667)南南南 ()ツモ

 仲田pも追っかけるが裏ドラを1枚乗せて奥村pが4000ALLツモ。   

・南3局 親番:石井p ドラ(1)筒
 仲田pが6巡目に一盃口拒否、高目三色狙いの四萬切りリーチを打つも1筒は
 石井pと奥村pの手にそれぞれ2枚づつで純カラ。不発に終わる。

 一二二三三四1237723
 
・南4局1本場 親番:仲田p ドラ發
 亜樹pが四萬切りで面混一七対子を9巡目にリーチ。自河に五萬が捨てられて
 いたので盲点になりそうであったが11巡目にツモってきたのは無常にも四萬。

 二二六六七七八東東白白中中
 
 その間に仲田pが慎重にドラを重ねて追い付き追っかけリーチをするも流局。

 三三566778888發發 

・南4局2本場 ドラ七萬
 この回一歩出遅れ追っかけが多かった仲田pがようやく先手を取りリーチ。
 2000(2200)ALLツモ。 

 12377234678)東東 東ツモ

・南4局3本場 ドラ1索
 ラス目の石井p、ドラ暗刻で6巡目に立直。数巡後あっさり5筒をツモり満貫。
 3着浮上となる。 

 五六七1112344467) ()ツモ

8回戦結果 石井p:▲ 7.7 奥村p:+ 9.2 仲田:+22.1 亜樹p:▲23.6


■9回戦(石井p×奥村p×黒沢p×亜樹p)抜け番:仲田p
 思わぬ2連続ラスで苦しいスタートとなった黒沢p。果たして8回戦の抜け番
 が吉と出るか凶と出るか?
 東1局2本場、ドラ白を手の内に暗刻で2フーロを見せた黒沢pが奥村pより
 満貫討ち取れば東4局1本場、親の亜樹pも負けじと満貫4100ALLツモ
 で黒沢pの独走を許さない。

・南1局 親番:奥村p ドラ(9)筒
 この回全く見せ場のなかった石井pようやく手役の絡んだ聴牌が入り立直。

 三四四五五六45645)南南

 ここに黒沢pが追い付き追っかけ立直。数巡後、高目の6索をツモり満貫。

 6778833456789) ツモ  

・南2局 親番:黒沢p ドラ六
 黒沢pがしばらく下記の仮テンで回していると奥村pの手の内から五萬が出た
 タイミング(一四七待ちに変わる可能性が低いとみて)立直を敢行。
 前局でいい和了りをしていただけにこれもツモ和了りきっちり裏も載せ満貫。 

 二三四六八11345789) ツモ

・南2局1本場 ドラ(7)筒
 どんなに高い手を張ってもあがれなかった奥村pがここにきてツキが味方に。
 裏ドラが發で跳ね満(3100・6100)ツモ。
 
 一二三五六七789)南南發發 ツモ

・南4局 親番:亜樹p ドラ(2)筒
 ラス目の石井pが懸命の萬子清一色狙い。そこへ親の亜樹pが立直を被せる。
 自河には(4)筒が1枚、石井pももちろん不要なので筒子が出やすい状況
 になっており浮き牌の發で3900出和了り。

 二三四六七八67877發發 ロン 石井p→亜樹p 3900 

・南4局1本場 ドラ3索
 卓上の舞姫、亜樹pが久々に舞う。両面待ちになっても満貫だが単騎の3索
 をツモり6000(6100)ALL。一気にトップ目にたつ。
 
 3567東東東 756(チー)白(ポン) ツモ

 結局、2本場では石井pがラス確の2600(3200)出和了りでこの回
 亜樹pがトップで終了。黒沢pもラスから脱出に成功。

9回戦結果 石井p:▲34.9 奥村p:▲ 9.3 黒沢:+14.8 亜樹p:+29.4


■10回戦(石井p×奥村p×黒沢p×仲田p)抜け番:亜樹p
 自分も休憩していたので全く見ていなかったのだが勝負は意外に早くついた
 ようで黒沢pがトップ。(やはり自分が見ていない方が調子が良いのかも?)
 決勝常連の亜樹pが僅か1.2ポイント差でここでまさかの足切り敗退。
 自分が見ていた限りでは放銃は亜樹pが一番少なかったが、勝負手も何度か
 逃していたのが痛かったか。
 ここまでALL連帯で独走状態に入りかけていた仲田pが突然の乱調か?
 大きなラス。自分が見ていない間に何があったのか気になるところ。
 詳細は連盟のレポートを参照くださいsoon

10回戦結果 石井p:▲ 9.6 奥村p:+15.3 黒沢:+27.7 仲田p:▲33.4


■11回戦(石井p×奥村p×黒沢p×仲田p)
 10回戦で一気に仲田pとの差を詰めた黒沢p。ここまでかなり妨害されてきた
 亜樹pが抜けた事により運気は更に上昇。
 
・東3局 親番:黒沢p ドラ(7)
 石井p、仲田pの立直を掻い潜りW東・混一・ドラ1の満貫を仲田pから直撃。 

 (44678中中  ()ポン 東ポン ()ロン 仲田p→黒沢p 12000

・南1局3本場 親番:仲田p ドラ(6)筒
 こんな嵌張待ちをツモれる時の黒沢pは手がつけられない。この日の黒沢pは
 裏ドラよりも表ドラが載ることが多く続く南2局でも配牌からドラ7索暗刻。
 断幺公ドラ3で他の三人を突き放した。

 七八九56744566)白白 ()ツモ  2000・4000(2300・4300)

 仲田p、黒沢pが嵌張待ちを悉くツモっていくのを傍目に奥村pは親の七対子
 9600放銃に始まり、手役が入りながらも和了れず本当にツキがなかった。
 逆に黒沢pは吹っ切れたような思い切りの良さと慎重な打ち回しのバランスが
 よくなりついにトップに返り咲いた。

11回戦結果 石井p:+ 8.0 奥村p:▲39.1 黒沢p:+37.6 仲田:▲ 6.5


■12回戦(石井p×奥村p×黒沢p×仲田p)
 11回戦を終えた段階でほぼ並びが出来た。ポイント差は以下の通り。

 黒沢p>仲田p 27.2
 仲田p>石井p 48.1
 石井p>奥村p 40.2

 12回戦開始前に奥村pが駆け付けた応援団に「普通にやるよ」と話していた
 のが印象的だった。
 その奥村pが東1局開始早々、下記の聴牌を入れ叩きつけるように渾身の立直!

・東1局 親番:奥村p ドラ(3)筒

 二三四五六七2345523

 この日何度も何度も見てきた奥村pの三色手だが、こういった手役が全く和了
 れていないのだ。それは奥村p自身が一番よく知っていたと思うがここまでに
 蓄積された精神的ダメージも相当のものだったはず。苛立ちからか自然と牌捌き
 にも変化が出てしまっているように見えた。今回も高目の4筒の在り処を見ると
 やはり石井pの手の内に2枚、シャボ待ち立直で追いかける。結局、両者共に
 和了れず流局。

・東2局 親番:石井p ドラ9索
 奥村pと対照的に愚形でもよく和了れていたのが石井p。下記の手牌で3巡目
 に立直。2巡目に黒沢pが(3)筒を切っていたとは言え親の立直に飛び込む
 メンツではないが数巡後、自ら(3)筒をツモり4000ALL。

 4555612456789) ()ツモ 

・南1局1本場 親番:奥村p ドラ1索
 協会の奥村pと石井pが先手を取り場を進める展開。起死回生の逆転を狙って
 仲田pが国士を狙い一萬と西待ちの一向聴までこぎつけるが奥村pが生牌の西
 切りでリーチ!慎重に(9)筒と西を抱えて辛抱していた黒沢pであったが西
 を暗刻にし、回りながらも三暗刻の役が完成。最終回、奥村pと石井pの陰に
 完全に身を潜めていた黒沢pが唯一の好機を活かし仲田pより9索単騎待ちの
 3900出和了り。

・南3局 親番:仲田p ドラ6索
 仲田p最後の親番。この親番が終わった時点で黒沢pの優勝は決まると言って
 もよいが、仲田pに既に盛り返す力は残っておらず手牌はバラバラ。
 小島先生曰く「卓上は戦場である」というがまさにこの12回戦は戦場を観た
 気がする。誰も他人のことを気遣いながら考えて麻雀をしている人ばかりでは
 ないのだ。少しでも上位入賞の望みがあるのであればたとえ優勝の目がなくと
 も情け容赦なく和了りにくる者はいる。

 56711555777)南南 南ロン 石井p→奥村p 6400 

 奥村pがこれまでの鬱憤を晴らすかのように5万点を超えるトップ目に立ち、
 仲田pの親は流れ逆転優勝の道はこれで完全に閉ざされた。

 展開にも助けられた黒沢pの親で迎えたオーラス。仲田pが天命を待たず切腹。
 ラス確の2600出和了りでこの瞬間、黒沢プロがプロクィーン初の連覇達成!

12回戦結果 石井p:+ 8.5 奥村p:+32.7 黒沢p:▲12.0 仲田:▲29.2


第7期プロクィーン最終結果】
 優勝:黒沢 咲 (連盟) 48.3
 2位:仲田 加南(連盟)  3.9
 3位:石井 阿依(協会)▲ 6.5
 4位:奥村 知美(協会)▲22.5
 5位:二階堂亜樹(連盟)
 20091018191404.jpg 091018_第7期プロクィーン決勝01.JPG

 全体的に流局が少なく予想通りの打撃戦となりテンポよく局が進み全7回戦の
 長丁場も思いの外、早く終了。
 Aルールの対局と比べると状況によってカンをしなかったり裏ドラ期待の立直
 も多かったりとやはり打ち方も変わり参考になりました。

 個々のメンツを見ていくと優勝争いに絡むと思われた亜樹pは初日の負債が返
 し切れず残念ながら足切りとなりましたが2日目は十分、面白くしてくれたと
 思います。奥村pは自分が気付いたミスもほとんどなく手順もしっかりしてい
 たが、不慮の事故やチャンス手を摘み採られる場面が多く精神的にキツイ展開
 が続いた。最後の最後で持ち前の爆発力が炸裂するも時すでに遅し。
 石井pは終始マイペースでラッキーガール的な存在。 昨年の5位から順位は
 あげてきたが優勝を手にするには何かまだ物足りない。そして準優勝の仲田p、
 黒沢pの対抗として9回戦まで見ていたらこのまま独走するんじゃないかとも
 思いましたが、抜け番を機に好転した黒沢pとは対照的で見ていなかった魔の
 10回戦を境に失速。こういった長丁場の対局ではインターバル一つで流れが
 変わってしまう怖さがある。一戦一戦の対局も大事だが7回戦トータルで見た
 時にどこでどう立て直しをするのかイメージ作りの大切さを教えられた。

 そして見事に逆転優勝を飾った黒沢p。フリーでもお世話になっている身とし
 て一言だけあるメッセージを伝えましたが終了後、真っ先に「苦しかった」という
 コメントがあったように対局中は笑顔は一切なく本当につらそうでした。それ
 でも自分を含めファンが望むような対局をしてくれた事に感謝いたします。

 今年は自分も北関東リーグの決勝という舞台に立つ事が出来ましたが、今思え
 ば苦しいというより楽しんでしまったことが優勝出来なかった敗因の一つだと
 感じています。アマチュアならそれでも許されるかもしれませんが、試合を
 楽しんであわよくば優勝なんて考えている人(自分がそうだったw)に優勝
 出来るとは思っていないし、優勝してもらいたくもない。
 今回の黒沢pはディフェンディングとして一度頂点に立った者が背負う計り知
 れないプレッシャーも感じつつ、自分自身に勝てたからこそ手にする事が出来
 た優勝だったのではなかろうか。

 本当にお疲れさまでした。そして改めて優勝おめでとうございますexclamation×2

 091018_第7期プロクィーン決勝04.JPG 091018_第7期プロクィーン決勝07.JPG
 
 最後に。十段戦の決勝以来の観戦でしたが、昨年と比べて一般観戦者の方が
 増えたのも印象的でした。少しづつだがプロの世界の未来も変わりつつある。
 雀力以外にも先輩プロから後輩プロへしっかり受け継がれているものがあると
 確信出来た一日でした。

 選手の皆さん、観戦された方、運営の方おつかれさまでした。
 そしてありがとうございました。
 20091018164544.jpg


posted by MATSU at 21:21| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする