2009年01月19日

第3期女流桜花決勝 観戦

第1期から観戦してきた女流桜花決勝観戦も今回で3回目となる。
1年間のリーグ戦を勝ち抜き、決勝卓へと駒を進めたのは第1期
準優勝の桑原恵子p、第2期3位の黒沢咲p、昨年はプレイオフ
で涙を呑んだ北條恵美p、そしてディフェンディングの二階堂亜樹p。
自分にとってある意味一番客観的に見れる決勝戦となった。
対局前に密かに優勝争いは2名のマッチレースになるのでは?と
予想していたが果たして・・・。

<1日目の結果>
二階堂亜樹p(+14.6)
桑原恵子p (▲11.7)
黒沢咲p  (+42.4)
北條恵美p (▲45.3)

亜樹pはディフェンディングという事で女流リーグには今期参戦
しておらず、いきなり決勝戦から登場。通常のリーグ戦もA2に
昇級した為、後期はお休み状態で公式戦からは遠ざかっている。
プレイオフで四暗刻あがった黒沢pがまずは勢いそのまま好発進。
実力は誰もが認める亜樹pの唯一の不安はこのモチベーションの
違いであろう。
1日目は観戦には行きませんでしたが、まだ全員に優勝の可能性
を残す結果となり2日目に観戦する楽しみが増えました。

2日目、亀有から新橋へと到着したのが、PM15:30頃。
入り口で吾妻pに声をかけられ中に入り、一番最初に目があった
のが正面にいた二階堂亜樹p。既に10回戦が終わろうとして、
亜樹pがトップ。黒沢pが痛恨の一人沈みラスを引くも総合では
まだトップで優位な位置につけている。
何も波乱さえ起こらなければ・・・。

そして運命の残り2回戦、11回戦が始まる。

<11回戦>

◆東2局1本場 親:黒沢p、ドラE
 トップの黒沢pを十分射程範囲に収めた亜樹pが立直をしかける。
 
 七八九12389FGH發發 
 
 しかしあがったのは北條p。亜樹pのツモ切りドラEポン後、
 隠し東暗刻で黒沢pより出アガリ。

 続く2本場も北條pが2000・3900(2200・4100)をツモあがり、
 トップ目に立つ。

◆東4局 親:北條p
 トップ目の北條pの親で迎えた東4局、この日の黒沢pは決して
 牌勢は悪くなく、そこそこに手は入っていたように思う。
 ただどうも理想の手とは違うのか、小首を傾げて立直する場面が
 多く見られた。いつもならば縦のび一直線にしそうな所を牌効率
 重視に平和手にしてみたり・・。あと2回戦持ちこたえたら優勝。
 かなりのプレッシャーがあったのかもしれない。

 この局も先制立直したのは黒沢pであった。ドラもない面ピン。
 放銃してラス目なので攻める他ない。

 他のメンツがオリ気味で数巡が過ぎていく中、ここが勝負所と見
 て一人みるみる手を高みに仕上げていたプロがいた。
 最後まで諦めていなかった二階堂亜樹pがついに黒沢pの十八番、
 起死回生の四暗刻をツモ。

 999BBBDDHHH白白 白ツモ 8000・16000

 公式戦ではほとんど役満をあがったことがないという亜樹プロ。
 ここぞという所でドラマチックなあがりを見せてくれるのは小島
 先生に匹敵する。
 昨年度のプレイオフ最終戦、強烈な満貫ツモで決勝卓の切符を手
 にした対局が鮮明に蘇ってきました。
 並々ならぬ底力を今回も見せ2位以下を大きく離し11回戦終了。
 総合でもトップに躍り出る。

・11回戦終了時のポイント
 亜樹p(96.9)、桑原p(▲59.7)、黒沢p(48.0)、北條p(▲85.2) 

<12回戦>

◆東1局 親:黒沢p ドラE
 連盟規定のルールにより総合トップの亜樹pがラス親になる。
 48.9ポイント差は黒沢pトップで亜樹pがラスになったとしても
 厳しい数字だがとにかくまずは自分が加点をしなければならない。
 そこへ精神的優位に立った亜樹pが今度は下記の手牌で立直。

 一一三四五七八九789EG

 接戦であれば立直はしなかったかもしれないが、黒沢pの親を
 流す意味も込めて宣言したのであろう。
 だが黒沢pもそう簡単には引かず、亜樹pの当たり牌を抱えて
 聴牌取り。

 六六23446FFF DBC(チー)

◆東1局1本場 ドラ西
 攻める黒沢p、小首を傾げつつも下記の手牌で立直を放つ。

 三四五六233445FGH 

 立直宣言牌はドラ表示牌の『南』。河には一枚も出ておらず、
 ここで即時に単騎待ち立直を打てていれば例えあがれなかった
 としてもその後の印象が変わったかもしれない。
 少なくても自分だったらここは南単騎で立直していたと思う。
 親立直である以上、中張牌はなかなか出ずに流局。

◆東1局2本場 
 重い展開でスタートした最終12回戦。ここまで沈黙していた
 桑原pが軽快な鳴きでオタ風から仕掛けて染め手に走る。
 亜樹p、黒沢pも聴牌までこぎつけ流局間近という所、黒沢p
 が掴んだのは不運にも生牌の『北』。
 ほぼ当たりは確実だったが少考後、力なく河に置かれた。
 
 AAGGG北北 東(ポン)西(ポン) 北ロン 
               黒沢p→桑原p 8000(8600)


 長い黒沢pの親が流れ、これで即座に打ち方を変えてきたのが
 二階堂亜樹p。
 東2局、ダマテンから平和、ドラ1の700・1300ツモ
 東3局、自風(南)のみ 北條p→亜樹p 1000

 親の桑原p、北條p共に大物手を狙える配牌だったがあっさり
 かわされてしまう。

◆東4局 親:亜樹p ドラ七
 巧みな局回しで親を迎えた亜樹p。 東2局では同じ平和でも
 ダマであったが、自分が親のときはしっかり立直をしてくる。

 一二二二三七八BCD789 ツモ 2600ALL

◆東1局 1本場 ドラ5
 黒沢pが下記の聴牌を取るも流局。当たり牌の4索はしっかり
 亜樹pに抑えられていた。
 
 二二三四五七八九33356

◆南1局 2本場 親:黒沢p ドラ南
 黒沢p、またもや小首を傾げながらも下記の手牌で立直。
 聴牌までは毎回こぎつけるもその形が今回は良くない。

 一二三BCD3456899

 亜樹pに中のみ300・500(500・700)をツモられ、万事休す。
 最後の親番を蹴られてしまう。
  
◆南3局 親:北條p ドラH
 黒沢pが最後の意地を見せ倍満ツモ。 

 九九九11北北白白白  南(ポン)北ツモ 4000・8000

◆南4局 親:亜樹p
 点棒状況は下記の通り。
 亜樹p(39800)桑原p(24500)黒沢p(37600)北條p(18100) 

 勝負は既に決していた。最後は順位変わらずとみて桑原pの
 ツモのみ(300・500)で終了。
 二階堂亜樹プロの初連覇で第3期女流桜花は幕を閉じた。

ぴかぴか(新しい) 第3期女流桜花成績 ぴかぴか(新しい)

優勝:二階堂亜樹プロ( 114.2)
2位:黒沢咲プロ  (  59.3)
3位:桑原恵子プロ (▲ 68.1)
4位:北條恵美プロ (▲105.4)

終わってみれば2日目はALL連帯で12半荘中ラスも1回と
いう亜樹pのほぼ完勝にも近かったのではないか。
安定感抜群な亜樹pに教えられたのはただアガリに行くだけが
麻雀ではないという事。12半荘を見据えた戦い、場況を読み
臨機応変、変幻自在に対応するその麻雀の完成度は更に高まっ
ており亜樹pの麻雀に「進化」という言葉はもはや当てはまら
ないとさえ感じさせた。役者が違いましたね。

あらためて連覇おめでとうございますexclamation×2

来期からは観戦も出来なくなるので今回が最後の観戦記になる
かもしれません。決勝戦というのは独特の雰囲気がありますが
選手と一体になり、一年間のリーグ戦の戦いを見てきた者には
より一層思い入れも深まるものです。
それを決勝戦だけ見れるとなっても野球で言うなればペナント
を見ずして日本シリーズだけ見るというようなもの。
別室観戦を見据えた巨大モニターも今回設置されていましたが
画質も悪くて牌が見えず、誰がいま親なのかも分かりにくくて
やはり生には勝てず不人気でした。(苦笑)
少しでも早く観戦出来る体制を整えていただきたいと思います。

選手の方も観戦された方も運営者の方もおつかれさまでした。
 2009.01.18 006.jpg 20090118182515.jpg

あ、ちなみに冒頭の優勝争いをするであろうと自分が予想して
いた2名とは黒沢pと新婚ホヤホヤの桑原pでした。
亜樹pがここまでとは思わず予想は見事に外れました。(笑)

※関連記事
 第1期女流桜花観戦記 
 ⇒ 1日目
 ⇒ 2日目
 第2期女流桜花観戦記
 ⇒ 1日目
 ⇒ 2日目


posted by MATSU at 18:38| 東京 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする